賃貸マンションの更新料「有効」判決について②

前回のブログで書いた関西地方の敷引特約と更新料に関する紛争問題は、家主様側の勝訴が確定しました。勝訴した家主様も、かかわっている不動産管理会社様もきっと手放しで喜んではいないと思います。何故ならば、今回の紛争問題は、賃貸業を営んでいる家主様と不動産業者が前々より厳しい未来を予感しつつも慣例にまかせて腰をあげなかったところ、借主様(消費者)側より厳しい現実をつきつけられたからです。

(1):賃貸業の衰退
◆人口減少と少子高齢化により、将来的に賃貸業は衰退していくと言われています。いわゆる衰退産業です。お部屋を借りていただける学生さんも少なくなり、景気に左右され親御様もなるたけ安い部屋を子供に借りさせ、独身社会人、ファミリーも右肩上がりの給料体系が無くなった社会で堅実に予算を抑えて借ります。一方、昭和50年代から平成5年前後まで続いた賃貸マンションとアパートも経年変化による建物老朽化に伴い修繕が必要になりましたが、その必要な時期がきても、肝心の入居者も確保できないが為、リフォーム修繕も行えず、必然と入居者も確保できず、人が住まなくなってくると建物はますます劣化していき、何とか空室を埋めようとリフォームしても空室の競合物件が多く対抗する為賃料下げて運用が難しくなっております。

つまり

※完全なる需要と供給のバランスが崩れている。
※平成10年頃より勝ち組・負け組みに人材淘汰がはじまったが、マンション・アパートも勝ち組と負け組みに仕分けされてきた。

( ちなみに7月8日現在 全不動産管理会社の東村山市・小平市・東大和市の空室状況ですが)

・東村山市  991部屋
・小平市   997部屋
・東大和市  387部屋            ※1・2・3K,DK,LDKのマンションとアパート合計です。

みてください。これだけのお部屋が空いている状況で借りる人も減れば、ユーザーは条件が良い物件から選んでいくのは当たり前です。需要と供給のバランスが崩れた状態です。

(2):家主様と不動産会社の関係とは
◆賃貸の入居者様におかれましては、何か困ったことがあると家主には連絡しずらいから不動産会社 に連絡される方が多いのではないでしょうか?水のトラブル・鍵紛失・相隣関係のトラブル等々。実際に当社にも毎日のように色々なご相談の電話をいただきます。さて、皆様のなかに不動産管理会社に相談してもすぐに対応してくれない、不親切だったなどご不満あったかたはいらっしゃいますか?
まず大前提で不動産会社にはお部屋を紹介するだけの会社と入居後のアフターフォーローまでみてくれる管理会社に分かれます。細かくは色々なパターンあるのですが大きく分ければ家主様が空室をうめる仕事を不動産会社に依頼するか、マンション・ア パート管理まで依頼するかに分けられます。

①家主様が不動産会社に空室部屋の仲介を依頼した場合

★入居者が決まりましたら不動産会社の仕事はおしまいです。入居後にトラブルあっても家主様と入居者様で解決してもらいます。

②家主様が空室部屋の紹介と管理まで不動産会社に依頼した場合

★入居者が決った後も定期的に管理マンション(アパート)の管理も行います。業務は賃料管理やマンションメンテナンス、トラブル・・・・多岐にわたり仕事があります。そこで家主様と管理委託契約を締結し毎月、賃料の何%かを管理収入として家主様よりいただきます。

(3):不動産トラブルの窓口は不動産会社?
◆Aさんが、あるマンションに入居したのは駅前のB不動産より案内してもらい契約しました。契約の時の説明でこのマンションはC不動産が家主様より管理を頼まれていますとAさんは説明受けていたので何かありましたらC不動産に電話してくださいと説明受けていました。入居してまもなく、上の階の学生さんが毎晩麻雀を打ち騒いでいるのでとてもでなく生活できずC不動産に文句を言いました。

「おいー、お前の会社は一体何を管理しているんだーふざけるなー上の学生がうるさくて眠れないじゃないか。精神的に被った損害賠償を請求してやる」

「それはお気の毒ですね。しかし当社は家主様に部屋の募集を頼まれているだけで管理は頼まれていませんので自分で学生さんに苦情を言うか家主様に連絡してくださいませんか?」

上記の会話のやりとりは創作ですが、皆様はどう思いますか?

なーんて不親切な不動産会社だと思いますでしょうか?

・まず入居者の立場になると、C不動産から言われれば、そりゃ怒りますよね。

・一方、C不動産の立場で言えば、家主様から管理費もらっていないのにそこまでやってられないとの気持です。そりゃーそうですよね。電話代・人材・労力・時間がとられ、一番の損失は人材を動かすことによりその他業務の妨げに伴う利益損失。

(ポイント)
・実際は、当社も含めてどこの不動産管理会社も親切に対応はしますから、実際に現場にかけつけたり水漏れなどあった場合は家主様に変わり、無報酬で動いたり、電気代・ガソリン代・土産代使い動ます。つまり不動産会社と家主様が管理委託契約まで締結しているケースが少ないのが現実です。この家主様とのもちつもたれの関係は古きよき時代から続く人間ともいえますが、入居者にとってはそれはあくまでも家主と管理会社の問題で関係ないだろうとの話になってしまいます。

(4):不動産会社と家主様の曖昧な関係

[1ルームが8部屋ある1棟アパートを不動産会社が管理しているとします。]

◆仮に一部屋4万円とし2年に1回更新で更新手数料が家賃の1か月分ですと更新料の半分が事務手数料として不動産会社がいただくとして4万円×8部屋÷2(家主様と折半)=16万円の収入
◆16万円の収入得る2年間の間には色々な仕事があります(笑)一月計算でしますと16万円÷24ヶ月=1ヶ月6,600円の見込み収入です。さらに、空室がでますとそれに伴う各種広告費様や満室状態とは限らないので空室あれば毎月広告募集するので広告費かかります。
◆本来、家主様と管理委託契約を締結しなければ、空き部屋募集のみでOKですが、管理会社からしてみれば細かい仕事をしないと家主様より首を切られてしまう恐れと、この仕組みを家主様にご説明しても家主様も入居率が悪いこの時代に余計な費用は払いたくない本音ある為、人間関係という曖昧な関係で不動産会社と付き合っています。

(5):それでも習慣は変えられない?
◆人間が生まれながらに持っているであろう気質や性質があります。又、生まれながら育った生活習慣もあります。性格は変えられずとも習慣はその時々により臨機応変に対応できると思いたいものですが、このしみついた習慣というか感性が抜けない不動産会社と家主様が多いです。もちろん当社も偉そうなことは言えず同じです。実は、某大手賃貸仲介会社は入居斡旋はしますが退室に伴う業務 はしません。その他にも退室に伴う業務は数万円業務料をいただければ家主様に変わって行う会社もあります。退室業務は不動産会社にとっては時間とお金が費やされる業務です。ですがこの仕事を家主ができると言えば殆どの家主様ができないのではないでしょうか。それでも家主様におかれましてはおたくに物件を任せているのだから・・・との潜在意識は存在しますのでそれぐらいは不動産会社で対応してくれよーとの思いはあると思われます。

(6):賃貸業の未来について
◆今回のテーマである「敷引特約」「更新料」についても、慣例という言葉に惑わされた契約の曖昧さが問題点だと思います。お客様に入居してもらえる部屋は駅近など諸条件もありますが、はっきり言えるのはきちんと商品化された部屋でないと入居してもらえません。汚く掃除されていなくてもその分近隣相場より安く賃料設定されているからいいだろうとの考えは通じません。契約形態も敷引特約や更新料などお金を支払うお客様にとっては、何のためのお金?と疑問符がつくからトラブルのですよって私が思うにこれからの賃貸契約形態は

①敷引特約の禁止

・退室に伴い不動産管理会社がその都度しっかり立会い、退室後に業者に見積もりとり入居者と家主様の負担割合を明確に書面で算出・提示してご納得のうえ敷金精算を行う。

※当社はこの方法で行っております。
※実際は賃貸不動産会社にリフォーム部門を設けるべきである。

②更新料の廃止

・更新料など入居者にとっては負担のなにものでもないので廃止する。家主様におかれましても空室期間長いよりは入居してもらった方がよいです。

③家主様と不動産会社で管理委託契約を締結する。

・不動産会社は更新事務収入などあてにせず、しっかり管理して毎月管理費を家主様よりいただく。
・管理費いただくことにより管理会社の責任と自覚を促せ、顧客満足度高い業務を目指す。

④仲介客付力のある会社が生き残る

・家主様の一番の悩みは空室解消です。管理業務の中には空室解消が重要課題です。アパートの草むしりや掃除など何も不動産会社に頼まずシルバーに家主様が直接頼めばすむ話です。不動産管理会社に求められているのはもっと次元の高い話です。ネット構築やホームページ活用した募集活動など空室解消できる会社。つまり入居者の斡旋から退室まで一通りお世話できる会社のみこれから生き残れると思います。私の周りにもたくさんの業者仲間がいます。家主様から管理だけもらい肝心な入居者斡旋は大手不動産会社や客付会社に任せていれば・・・・・と考えている業者方々。
いわゆる仲介業務の表面だけしか理解せず、仲介が廃れていくとの世評だけとらえて管理戸数を増やそうと考えている人達に無性に反発とばっかじゃねーの的な感覚がぬぐえません。基本を忘れていると思いませんか? 商売の基本を?

◆お部屋を探しているお客様がこの会社に頼めばいい部屋を紹介してくれるのではの期待感

◆家主様がこの会社に部屋募集を頼めば満室にしてくれるであろうとの期待感

◆家主様と入居者様が困った時に相談できる不動産管理会社

☆家主様はこの不動産会社に頼めば部屋を埋めてくれるし、何かあればすぐに飛んで解決してくれるので毎月の管理料は保険みたいなものだね!と思っていただけるような管理会社である事。

☆部屋探しのお客様、入居者様、家主様からこの不動産管理会社でなければ困ると思われるような事業でなければいけません。この商売の基本感覚って昔から変わらないのではないでしょうか?お客様=借主様と家主様=仲介力・部屋斡旋力ある会社が求められる。

お客様=入居者様と家主様=不動産会社にまかせておけば一安心。入金帳簿だけチェックすればよい

・大手不動産会社=仲介業務(入居斡旋業務)だけに力を注ぐ=入居者と家主様の不満

・中小企業=管理業務だけに力を注ぐ=肝心な入居者入れてくれなきゃ意味ないじゃない=不満

最後にくどくなりますが、

仲介=管理のシステム完備している会社が時代に求められる会社です。

実はこのシステムをブログで公開しようか迷ったんですが・・・・ごめんなさい。

器がない私、まだ度胸ありません。個別に家主様にご紹介させていただきます。

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