私は律儀な人間だ。何故なら人に奢られれば次は必ず奢ろうと思うし
(しかし、富裕層の社長・専務には奢られぱなしだ)
小学生5年~社会人2or3年目まで毎年必ず女の子からもらっていたバレンタインデーのチョコレートのお返しも必ず下心つきでリボンをつけて返していた
(しかし、妻と付き合うようになってからパッタリもらえなくなってしまったところに人生の不憫を感じる)
そんな律儀な私だから毎年必ず愛する妻に誕生日プレゼントを贈っていた。
(しかし、贈っていたという過去形とうことは3年前から贈っていない)
誕生日プレゼントは気持ちの問題であり金額の是非でははかれない。だから我が家の財布を握っている妻が私の為に購入するプレゼントは、私が心底喜ぶプレゼントを用意してくれる。
今年は6万円相当のカバン、その前の年は私が欲しかったネクタイと革靴・その前の年は私が崇拝してやまないプロレスラー「ミル・マスカラス」のTシャツ。どれもかしこも1万円程度の金額ではとても買えないものばかりだ。
(ちなみにお金の出所は私だ)
さて、では私は妻に今まで誕生日プレゼントに何を贈ったかというと、誕生日プレゼントは気持ちの問題だから妻に喜んでもらったプレゼントと馬鹿にされたプレゼントの二つしか思い出せない。
一つは3年前に贈ったひざ掛けだ。
(ちなみにマフラーと思って買ったら妻に「これひざ掛けよ」と言われた)
妻と結婚する前、彼女がプライベートレーベルという女性ブランドで自分用の指輪と友人の結婚式の2次会用としてスチュワーデスのようなスーツを購入していたのを隣で見ていたので
(ちなみに見ていたというのは私がお金をだしたわけではない)
このブランドの商品を買えば今年こそ喜んでくれると思ったからだ
(ちなみに今年こそというのは、毎年プレゼントを購入するたびに妻に「こんなものいらない」とむげにされたからだ)
私はまずプライベートレーベルがどこのデパートに入っているかを必死に探した。新宿でどうしても見つからず104の電話紹介でとうとう、新宿の京王デパートにあることをつきとめた。さて、ここからが悩みどこだ。何故なら私の財布には1万数千円しか入っていない。
(ちなみに毎年の妻への誕生日プレゼントは1万円以内と決まっている)
(ちなみに1万円以内と決まってると決めているわけでなくそれしか予算がとれない現実がある)
相手はブランド品だ。1万円は必要だろう。1万円使っても数千円あれば25日の小遣い日まで持つと計算し、太っ腹な私は商品の品定めに入る。ところが思った以上に1万円の商品を探すことが困難な状況と現実を思い知る。女性ブランドの狭いフロアーに男性が長時間粘って品定めをしていれば、おのずと店員さんが寄ってくる。私はその時の記憶を鮮明に覚えている。
(何故なら私好みの歌手PUFFYのような茶髪・ソバージュのお姉さんだったから)
「何をお探しですか」
素直に言った。
「妻への誕生日プレゼントです。商品は決めてません」
「わー素敵ですね。やさしそうな方ですもんね。」
気をよくしている私にお姉さんを親切に説明してくれる。
「今年はこれが流行りなんですよ」とふわっとした感じのセーターを出してきた。やつぎばやしに
「奥様のイメージに合いませんか?」
「いえ、イメージには合うし是非こんなセーター着てくれればうれしいですがそこまで予算はのびません」「そうですか、いくらぐらいで考えてます?」
「1万円です」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
少し間があくがそこはやさしいお姉さん。ニコリとし店頭より大きなピンクのマフラーを持ってきた。
「1万円以内でしたらこれなんかいかがですか。他に1万円以内ですとそこのアクセサリー系しかないかも」確か妻がマフラーを欲しがっているだろうと勝手な記憶がよみがえり、また選択の余地もなさそうなのでピンクのマフラーを買うことに決めた。
夕方、妻に事務所で渡すと
「なにーまた変なものでないでしょうね」 と笑いながら応えているものまんざらでもない笑顔を浮かべていてホット一安心したのもつかの間
「これひざ掛けじゃない」
「いやマフラーだよ・・・大きめの」
どうもマフラーと思って買ったがマフラーに似たひざ掛けのようでした。
(ちなみにそのひざ掛けをしている妻をその後3年間見た記憶しないし、我が家で見かけることは一度もなく現在に至る)
誕生日プレゼントはお金の問題ではありません。気持ちの問題でいかに相手が喜ぶものを贈るのがベストの選択です。子供が母親の為に一生懸命作った折り紙や手紙でも真心を大切にする妻はうれしそうに喜んでおります。
(しかし人間はいやがおうにも相手を年相応のレベルで判断するがゆえ、妻に千羽鶴贈っても喜ばれない)
ちなみ二つ目の記憶にある妻へのプレゼントは10年前に社員旅行でグアムに行った時に無理して買ったティファニーのネックレスだ。何故記憶にあるかという と、数ヶ月前にティファニーのネックレスの鎖が切れてしまい、それを東武デパートまでわざわざ修理に出している妻の姿も見ているからだ。
誕生日プレゼントはお金の問題ではありません。いかに相手に喜ばれるかです。