最近中古別荘の販売依頼が相次いでおります。ご売却理由の殆どが高齢化に伴い今後別荘を利用することが困難になってきたことが大半を占めております。当社としましては、長年お付き合いさせていただいた方ばかりでまことに残念な気持ちです。
さて、そのような流れの中で、もちろん当社に販売依頼いただいた以上は責任もってご対応させていただいておりますが、よく売主様との会話に「もう少し辛抱して売り急がず値上がりを待った方がいいかね」との話を聞きます。皆様はどう思いますか?これからの値上がりを想定したいお気持ちは充分ご理解できます。殆どの方がそれなりの大金を注ぎ込んでいるわけですから。確かに当社本社がある東京都東村山市でも以前の路線価評価の1.4倍、公示価格の1.2倍などの目安はなくなり、路線価評価の2倍近くが取引価格になっております。不動産投資をしたくても良い土地が買えず、数年前から資産インフレを予想しているIT産業の社長様方が土地が買えなければ、良い土地を抱えている会社ごと買ってしまえ!と世間をにぎわせておりました。リゾート地も値上がりするかしないかは、私ども不動産会社は評論家でないので断定はできませんが、別荘のご売却時期としては好機ではないかと思います。営業サイドで感じている直感で恐縮ですが、そう考える理由はあります。
①一昨年より団塊世代の定年退職はじまりとともに、反響数が増加していること。
②団塊世代の方々が別荘を楽しめる時間は今後10年間程度であること
③団塊世代マネーが動く時期がここ10年程度であると予想されること
④今後経済がインフレに転じたとしてもリゾート地に多少普及する頃には、建物の老朽化がますます進んでおり、購入される方はリフォーム費用見込んで買われるので高値販売は難しいと思われること
⑤10年先ぐらいまでのユーザー購入希望価格は現在と同様の横ばいで推移する為
⑥別荘の殆どが木造住宅の為耐用年数20年である為
はっきり申します。特に平成に建築された建物は今が売り時です。
建物評価は都道府県により単価が違うのですが、例えば、平成10年築の延床面積90㎡の木造別荘があるとします。その現在の評価は
(再調達評価)140,000円×90㎡×10年/20年=6,300,000円になります。
別荘地の土地評価は取引事例でも高い評価額はでませんので、換金性を考える場合、建物残存価格は重要になってきます。誰もが別荘所有者様は長年利用してきた別荘に愛着あります。わが別荘は眺望が良い・わが別荘はこれだけの工夫した間取りである・わが別荘は自給自足の畑がこれだけある・・・等自慢の別荘ばかりですが、別荘を求めている一般ユーザー様は、別荘の付加価値は最後の決め手にはなりますが、より数字にはシビアであると痛感しております。